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フィンセント・ファン・ゴッホ

(Vincent van Gogh, 1853年3月30日 - 1890年7月29日)


[フィンセント・ファン・ゴッホ] 様式的には印象派に負う所が多いが、表現主義・象徴主義的側面も多分にあり、何れにも範疇化される事がある。
現在でこそ極めて高い評価を得ているが、不遇の生涯を送っており、生前に売れた絵はたった1枚『赤い葡萄畑』だけであった。
それでも生活していけたのは弟テオドールの援助があった為である。

また、フィンセント・ファン・ゴッホはを理解・支持していた画家にロートレックがいる。
2004年11月2日、アムステルダムでフィンセント・ファン・ゴッホの甥の孫のテオ・ファン・ゴッホ映画監督がイスラム教徒に暗殺された。

オランダ語の g は、日本語では表記不可能な発音であるが、「ホッホ」がより近い。
仏語では「ヴァン・ゴーグ」と発音し、嘗ての日本でも同様に表記される事があったようである。

生涯

[フィンセント・ファン・ゴッホ]

フィンセント・ファン・ゴッホは1853年3月30日に南オランダのフロート・ズンデルトに生まれる。
祖父、父共に牧師だった。
フィンセント・ファン・ゴッホの性格は激しく、家族を含め、他人との交流に難を抱えていた。

1869年から美術商として成功していた伯父の伝手でグーピル商会に勤め、熱心に働く。
また1872年からは兄弟の中でも唯一気の合うテオと文通を始める。
この文通は何度か途切れるが、20年に亘って続けられる。

商会のロンドンやパリの支店に勤めるが、失恋により失意し、美術商への熱意を失う。
フィンセント・ファン・ゴッホはあまりに悪い勤務態度の為、1876年に商会を退職させられる。

[フィンセント・ファン・ゴッホ] 牧師を目指し貧しい人々の為に、自らも貧民のような身形で献身的に活動を行うものの、あまりにみすぼらしい有様が牧師らしくないとされ、1879年に伝道師の仮免許を剥奪される。
フィンセント・ファン・ゴッホは、暫く炭坑に留まり伝道の補助を行う。

フィンセント・ファン・ゴッホは1880年に画家となる事を決心し、ブリュッセルでデッサンの勉強を始める。
1881年に実家に戻り、両親と暮らし始める。

自宅に画室を作り、27歳で画家となる。
義理の従兄弟にあたる画家アントン・モーヴにも指導を受ける。

フィンセント・ファン・ゴッホとポール・ゴーギャン

[フィンセント・ファン・ゴッホ]

ポール・ゴーギャンと南フランスで共同生活をする(他に十数人の画家の仲間達を招待していたが、来たのはゴーギャンだけだった)が不和となり、ゴーギャンに自画像の「耳の形がおかしい」と言われると、自らの左の耳朶を切り取り、女友達に贈り付ける等奇行が目立ち、自らサン=レミ=ド=プロヴァンスの精神病院に入院する。

1890年7月27日にパリ郊外のオーヴェル・シュル・オワーズで猟銃で自殺を図り(自殺するには難しい銃身の長い猟銃を用いた事や、腹部に銃創がある事から、不審者を恐れた住人に撃たれたと考える研究家もいる)、2日後に死亡した。
フィンセント・ファン・ゴッホは死ぬ前日に弟に自らの芸術論等を滔々と話していたという。

作品

[フィンセント・ファン・ゴッホ]

フィンセント・ファン・ゴッホの作品は、初期の段階を除けば、印象派を出発点としている。
また、日本の浮世絵の特徴である明快な色使い、影の無い世界にも大きな影響を受けた。
即ち、戸外での制作、明るい画面、筆触分割等々といった特色である。
しかしながら、印象派の画家達の筆触が視覚混合を狙う為比較的細かなものであるのに対し、フィンセント・ファン・ゴッホは時代が下ると共に筆触は長く伸び、うねり、表現主義的である。

また印象派の視覚分割に於ける色彩の選択が科学的な知識を基本とするのに対し、フィンセント・ファン・ゴッホのそれは主観的・また時に象徴主義的である。
強い輪郭線、色面による構成、人物の戯画的なデフォルメ等も、印象派とは異質のものである。

[フィンセント・ファン・ゴッホ]

また、印象派は自然主義を基本とするが、フィンセント・ファン・ゴッホの絵画は単なる現象の写しを離れ、しばしば象徴主義的である。
この傾向は特に後期に著しい。
印象派が太陽の照らす戸外を描くのに対し、フィンセント・ファン・ゴッホは夜をも描く。
また、憂鬱な人間と社会、更には神的な世界をも描いたが、この態度は印象派と決定的に異なる。



エルミタージュ美術館に展示されているフィンセント・ファン・ゴッホの絵画

[フィンセント・ファン・ゴッホ] [フィンセント・ファン・ゴッホ]

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